0 はじめに・・・なぜ「感情」が問題なのか、なぜ社会学的な分析なのか 

1 社会学理論と感情  
11 一般理論への組込み・・・パーソンズ他
12 個別感情の主題化・・・ゴフマン他
13 古典と感情・・・ヴェーバー、デュルケム、ジンメル

2 感情論の先導分野 
21 大森・廣松の感情論−哲学より
22 感情のレイベリング論−心理学より
23 演劇論と感情

諸学の「感情革命」・・・人類学/歴史学/経営学/政治学  

3 感情社会学 
31 感情社会学誕生の背景
32 心理学・生理学との理論的な距離
33 三つの感情社会学、その代表的立場
331 ケンパー「感情の社会生理学」
332 ホックシールド「感情の相互行為論」
333 コリンズ「感情エネルギー論」

4 感情社会学の構築主義的な基本構制 
41 基本概念
42 基本視座
43 「感情文化」という視角

5 近代化と感情 
51 感情の文明化論、あるいは自己統御の変質・・・エリアス
52 「感情」の発見、あるいは魂への社会的介入・・・フーコー
53 近代家族の作成、あるいは「母性愛」の規範化

6 感情の現代社会論 
61 感情とディスタンクシオン・・・身体/感情/階級
62 個人化・自己・感情・・・感情自然主義/リアルセルフの在処
63 ポストエモーション社会・・・感情のマクドナルド化

7 感情管理社会
71 愛情と条件・・・親密さの暴力
72 感情労働と感情資本
73 自己再帰性と感情

74 感情知と感情産業と感情専門家
75 消費社会と感情
76 新しい社会運動と感情労働者

77 感情共同体と感情公共性
78 感情言説の戦略的立場性

8 感情+社会学
81 感情とフィールドワーク
82 感情的社会学
83 パフォーマティヴソシオロジー、新しい映像社会学、行為社会学

反〈感情社会学〉
感情社会学は感情について語ったのか。誰の感情について、誰がどの地点から語ったのか。
アルタナティフ公共性/感情公共性


感情社会学への導入

 

・・・・・・・・『社会学的な問い』・・・社会学の体系性、分類
同時に、『日常的な問い』でもあり、先の問いは人々によって回答されている。

 

『感情』についての日常的な態度やアイデア

・フォークセオリー(ナイーヴ・・・、土着・・・、理論)

・エスノサイコロジー

・日常的な知識のストック

・エスノメソッド

感情文化、感情コンセプト、エモショノロジー

感情の『科学的な』定義をしない

「感情」として人々が扱うものすべてを「感情」として扱う。

実体としての感情、より、
『感情』なるものを設定し、『感情』をある文脈で使用する、ひとびとの営みに注目する。

なぜ感情を?

・社会的行為、パラダイム転換、アクチュアリティ

・近代社会、資本主義・市場、

・自己、他者を知る、自己を成立させている『権力』の作用を知り、新しい生のスタイルを見出すため。

社会学的に主題化する理由

 

近代社会の基本構制

部分と組み立て/主体と他物、意志の存在、人間であること

主体の根拠、人間主体

主体認定の政治学 排除される人々 意志的主体足り得ない/感情的

新たな生の様式・感情生活のあり方を模索する。・・・それは、『感情』が近代社会の成立や近代的な生き方をする私たち、それらにとって無視しがたい作用を持つから、その『感情』を再考することで、自分たちの「近代性」を脱自明化、異化することができるかもしれないから。